孤杖伝

神道夢想流杖術研究

永遠の縦

経験者であればわかるとおもうが、ゴルフはシビアなスポーツだ。

ボールは止まっているにもかかわらず、コースで完璧に打てることはほとんどない。

プロでさえ、ドライバーでOBを出すことがあるのだ。

しかしプロはOBを出しても80を叩くことはないが、アマチュアは100を切ることすら難しい。


そもそも、プロとアマでは根本的にスイングが違う。

男性のアマチュアが女子プロよりも飛ばないのは、ミート率の違いだけではない。

体で振っているか、手で振っているかの違いだ。

ほとんどのプロは子供の頃からゴルフをやっているので、腕力ではなく体で振るスイングが自然と身についている。


そして、アマチュアは自分からクラブヘッドをボールに当てようするので、逆に当たらない。

通常、ボールは体の30センチぐらい前に置かれている。

そしてクラブを振り上げ、振り下ろすのだが、その際に右手を操作してボールを打ちにいく。

気持ちはわかるのだが、それがそもそも勘違いである。


どうしてだめかと言うと、スイング中は体も回転しているからである。

体が回転するということは、人体構造的にも遠心力的にも、クラブヘッドは体から離れたところを通過する。

にもかかわらず、自分で当てようとするのでシャフトが傾き、スイング軌道がぶれ、ヘッドが開く。

さらに支点がブレるので、スイングスピードも出ない。


ボールに当てるのではなく、スイングの結果としてボールに当たるようになることが重要である。

つまり、クラブを横に振ってはいけない。

たとえ地面にぶつかろうが、右足に当たろうが、クラブは永遠に縦に振らなければならない。

しかし、アマチュアゴルファーは当てることに必死で、何年も何十年も横振りの練習をするのだ。


そして、たまに出るまぐれ当たりのために、膨大な時間とお金をつかう。

ゴルフを健康スポーツとしてやるならそれでもいい。

しかし、競技やクラチャンなどの試合に勝ちたいのであれば、正しいスイングと日々のトレーニングが必要だ。

そしてそれは、杖も同じだと思うのである。