孤杖伝

神道夢想流杖術研究

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「剣の法」研究 その三 新当流と陰流

「七人の侍」という映画は黒澤明監督の名作だ。 そして「剣の法」では、この映画のとあるシーンについて書かれている。 映画の前半の方での武芸者と浪人の立ち合いが、なんと新当流の勝ち口を表しているらしい。 一体、どのような立ち合いか。 武芸者は半身…

「剣の法」研究 その二 反発の原理から抜ける

さて、「剣の法」のはじめの方は、初期の日本刀の出現などについて書かれている。 これはこれで面白いのだが、技術論と離れるので触れない。 次に書かれているのは、反発の原理から抜けるのが武術であるということだ。 これはよく言われることなので、理由も…

「剣の法」研究 その一 新陰流

刀や槍をとって戦うことが無くなった今日、様々な日本の武術が失われた、もしくは形骸化した。 とはいえ、いくつかの主要な剣術流派には、今日でもその技や理合いが正しく伝えられているようだ。 まさに剣術は日本の武術の中心であるが、その頂点の一つが、…

永遠の縦

経験者であればわかるとおもうが、ゴルフはシビアなスポーツだ。 ボールは止まっているにもかかわらず、コースで完璧に打てることはほとんどない。 プロでさえ、ドライバーでOBを出すことがあるのだ。 しかしプロはOBを出しても80を叩くことはないが、アマチ…

一之太刀

夢想権之助は新當流を極め、武蔵に敗れて修行の後、杖術を編み出したと言われる。 新當流といえば、塚原卜伝で有名な鹿島新當流があり、卜伝以外にも多くの剣豪を排出した。 それだけ、新當流が優れていたということだろう。 そして神道夢想流杖術の技や理合…

一招を恐れよ

今思うと不思議だが、若い頃は剣術や棒術などの、得物を用いる武術にあまり興味がなかった。 漫画などの影響か、空手や中国拳法など素手の武術が好きで、実際に習ったりした。 そしてかじった程度で、フルコンが強くて寸止めは弱いだの、太極拳は使えず八極…

寝屋の内

古流を習って、長い間その意味がわからなかったのが、寝屋の内という形である。 打太刀に対して正座で待ち、太刀と杖を合わせ、杖が目間を攻め、くるぶしを打つという形だ。 寝屋の内というぐらいなので、寝込みを襲われるとか、そういう際の稽古なのかと考…